武蔵塚公園 武蔵塚は大津街道沿いにあり、江戸時代はこのあたりが参勤交代行列の見送りの場所であったといわれる。


武蔵は病床においてまとめた「独行道」を残してこの世を去った。この武蔵最晩年の思いの表明は、宮本武蔵を師と仰ぐ人々にとっては、貴重な「修身ノ書」となって残っている。


「独行道」

一、世々の道をそむく事なし
一、身にたのしみをたくまず
一、よろずに依枯の心なし
一、身をあさく思、世をふかく思ふ
一、一生の間よくしん思わず
一、我事において後悔をせず
一、善悪に他をねたむ心なし
一、いずれの道にもわかれをかなしまず
一、自他共にうらみかこつ心なし
一、れんぼの道思いよる心なし
一、物毎にすきこのむ事なし
一、私宅においてのぞむ心なし
一、身ひとつに美食をこのまず
一、末々代物なる古き道具を所持せず
一、わが身にいたり物いみする事なし
一、兵具は格別 よの道具たしなまず
一、道においては死をいとわず思う
一、老身に財宝所領もちゆる心なし
一、仏神は貴し仏神をたのまず
一、身を捨て名利はすてず
一、常に兵法の道をはなれず

  正保弐年五月十二日 新免武蔵   玄信(花押)





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