• ホーム
  • くまノート
  • 奈良時代末に創建された鎮守の杜「二之宮 陳内阿蘇神社」御朱印のいただき方

奈良時代末に創建された鎮守の杜「二之宮 陳内阿蘇神社」御朱印のいただき方

2021年05月31日 | N

阿蘇都比咩命を主祭神として阿蘇十二神を祀る神社です。

熊本市街地から約20分、熊本市北区龍田陳内(たつだじんない)3丁目に鎮座する「二ノ宮 陳内阿蘇神社(にのみや じんないあそじんじゃ)」は住宅街にある静かな神社です。

創建は約1200年前の奈良時代末ごろ(勧請年月は不詳)で、この地方一帯(竜田(龍田)・黒髪・清水・下南部)の鎮守として勧請されました。
当初、神武天皇の孫神・健磐龍命(たけいわたつのみこと)の妻妃・阿蘇都比咩命(あそつひめのみこと)だけの勧請が阿蘇家より許されたことから「二ノ宮」と称し、地元の人々から「二ノ宮さん」「二ノ宮神社」と呼ばれ親しまれています。

ちなみにですが、「二ノ宮 陳内阿蘇神社」の主祭神:阿蘇都比咩命の夫王・健磐龍命が祀られている阿蘇神社は、全国に500社ある阿蘇神社の総本社です。阿蘇神社が「一ノ宮」となります。(阿蘇神社鎮座地/熊本県阿蘇市一の宮町宮地)
阿蘇には十二の神がいますが、もともとは阿蘇三神で「延喜式神名帳(927年)」には一ノ宮・健磐龍命、二ノ宮・阿蘇都比咩命、国造神(速瓶玉命)が記されており、やがて十二神に増えていったそうです。
この「二ノ宮 陳内阿蘇神社」も当初は阿蘇都比咩命を主祭神として勧請しましたが、のちに外十一柱の阿蘇の神々を併せ祀り現在は阿蘇十二神が祀られています。

境内に「御祭神・由緒」と「陳内阿蘇神社神系図」の説明板が設置してありますのでこちらを見られるとわかりやすいです。
(御祭神・由緒)

(陳内阿蘇神社神系図)

それでは、参道と境内をご案内します。!

一の鳥居と二の鳥居から境内へご案内〜♪

こちらの神社は一の鳥居と二の鳥居がありますので、まずは一の鳥居から。
一の鳥居は産交バスのバス停「北バイパス竜田陳内」からすぐの場所にあります。
鳥居は大正15年(1926)に建立されたものです。
鳥居をくぐるとすぐ参道にJR豊肥本線の線路が横切っています。
ここは地元の人が使用する踏切(踏切名:宮の前踏切)で交通量が意外とありますので渡る際は注意して下さい。
踏切を渡るとすぐ目の前には高架がありますが、この道は県道337号線(旧57号線)です。
その高架下をくぐると、参道の先に大きな杉と楠が見えてきます。
ここが二之宮 陳内阿蘇神社です。

参道を進んで行くと、二の鳥居が見えてきました。
こちらの鳥居も一の鳥居と同じく大正十五年に建立されています。それではいざ階段を上って境内へ参ろうぞ。
一礼して境内へ。
拝殿が見えてきました。


そして二の鳥居をくぐったら、是非やってほしいことが一つあります。
その場で後ろを振り返ってみて下さい。
鳥居越しに見える市街地と青空がとても綺麗で清々しい気持ちになります。


さあ、次は境内へ。

境内をご案内〜♪

まず、二の鳥居をくぐるとすぐ左側に飾り気がなく小さな石灯籠が堅牢にたっています。
境内で一番古いこの石灯籠は約260年前の宝暦年月が刻まれており、明治時代の大地震、平成28年熊本地震をはじめ数々の台風など自然の災禍にも耐えぬいたものです。


そして右手に手水舎です。
大型台風により屋根が被害を受けましたが、平成13年に復元されました。


左手には先ほど紹介しました「御祭神・由緒」と「陳内阿蘇神社神系図」の説明板が設置してあり、説明板の奥には授与所があります。
ただし、こちらの神社は宮司さんが常駐していらっしゃいませんので宮司さんがいらっしゃる時に開けていただいて下さい。
(新型コロナウイルス感染防止の為、授与所窓口にビニールを張り、お札・おまもりなどの授与に配慮してあります。また、おみくじは1枚ごとに立てて並べたおくみじ箱から選べます)


拝殿前に鎮座する狛犬は昭和5年(1930)に奉納されたもので、台座には花が彫られています。
撮影時に参拝されていた方が、小さい頃に右側の阿型の口の中に入っている玉を取ろうと一生懸命頑張ったけど無理だった、と笑いながら子供に話していたのが聞こえてきました。頑張れば取れそうな気がするんですけど絶対取れない、狛犬あるあるですね。
こちらの狛犬さん、尻尾が立派だったのでバックショット撮ってみましたよ。
ふさふさしていそうな毛並みで可愛いです。

 

約150年振りに造り替えられた拝殿

現在の拝殿は、明治期に建立された社殿の老朽化に伴い、約150年ぶりに平成13年(2001年)に再建されました。

五穀豊穣、諸願成就など産土神として、かつては十一ヶ村の産土神として崇められていた神社ですが、時代の移ろいとともに地域毎にお社が祀られるようになり大正期には下南部地域も離れ、現在は龍田陳内の一地域だけの氏神さまとなったそうです。
しかし、古くから先人たちから受け継がれてきたこちらの神社は現在も氏子の方々や崇敬者の篤い信仰が絶えません。
それゆえ、平成13年に行われた大造営では様々なものが奉納されました。

拝殿入口の鈴緒(本坪鈴)、賽銭箱も奉納されたものです。


拝殿の扁額ですが、明治期に建てられていた社殿にも「阿蘇二宮」で掲げられていたそうです。
龍の彫刻は今にも動き出しそうな勇ましい姿ですね。

拝殿左右の彫刻は獏(バク)と狛犬が施してあり、右は阿形、左は吽形です。
(右側)

(左側)


それでは拝殿の中へ。
拝殿の左右には神様をお守りする随神像が置いてあり(格子の中)、まず目につくのが、天井にある天井絵馬「草花八十八枚」です。
四季折々の草花を1枚1枚丁寧に描かれたもので全部で88枚あります。
手書板に描かれた色とりどりの草花が見事で、一枚一枚みていたら首が痛くなりました。皆さまはほどほどに見て下さいね。
こちらも奉納されたものです。

※拝殿は通常閉まっています。見学したい方は宮司さんがいらっしゃる時に申し出て下さい


そして掲げられている大絵馬は6枚にも及び、古くは江戸時代から、最近では平成13年のものが奉納されています。
(大絵馬は全部で9枚あるそうです。不定期に変えらる可能性があります)

(「鵺退治」明和9年(1772))
鵺(ぬえ)とは想像上の動物で、頭は猿、胴体はたぬき、尾はへび、手足はトラ、鳴き声は虎鶫(とらつぐみ)のバケモノ。平成17年3月に熊本市博物館で開催された絵馬展「絵馬発見-知られざる熊本の遺産」にて熊本県内で2番目に古い絵馬と判明。鵺が描かれた絵馬としては県内最古。


(「加藤清正富士を見る図」明治24年)
加藤清正が松前藩(北海道)出身の漂流民二郎と出会って朝鮮半島から富士を見ている姿を描いた絵馬。平成17年3月に熊本市博物館で開催された絵馬展「絵馬発見-知られざる熊本の遺産」にて珍しい絵馬(加藤清正の戦姿ではない構図)三点の中の一つとして紹介された。


(「天岩戸」明治24年)
天照大神が天の岩戸に隠れた際、八百万神が集まって天宇豆女神の踊りを囲って賑やかに宴を催し何事かと天照大神が岩戸を少し開けて外の様子を伺っている場面。


(「新作天岩戸」平成13年)
先ほど紹介した明治期に奉納された天岩戸の続き場面を描いたもの。
天の岩戸から天照大神が外に出てこの世に明るさが取り戻され、八百万神が安堵した場面。


(「鵯越逆落(ひよどりごえのさかおとし」寛政2年)
源義経は一ノ谷に陣を構える平家を討つ為、鵯越(ひよどりごえ)から奇襲によって断崖のような急な坂道を一気に攻め下り、平氏を海上に敗走させた場面。


(「祈る女神」平成25年)
一見、岩戸開きでおかしな格好をして踊った天鈿女命(天宇豆女神)に見えるが、お祈りする真摯な女神の姿はそれを素直に受け入れられない。澄める夜空には望月が雲の間から明るく照らし夜を統べ治める月夜見尊(月読尊)かもしれない。と、これを見た人が自由に想像し解釈ができる幸運を呼ぶ女神の絵馬。

この他にも、拝殿内には神楽面、狂言面なども奉納されています。

拝殿奥の本殿も拝殿と同時に再建され、勧請して以来の御神体の坐像が祀られています。


また、平成27年には玉垣取り替え、階段改修及び手すり増設、石灯籠も奉納されました。
他にも、平成に襲った様々な大型台風により境内の檜や杉などが倒壊しましたが、鎮守の杜を守ろうとその後に桜の若木13本、杉苗100本、枝垂れ桜なども奉納されており、神社を守ろうとする方々の心の拠り所であることが伺えます。

境内に祀られている紐解天神(ひもときてんじん)


拝殿の右側にひときわ大きな楠があります。樹齢や高さは不明ですが、幹回りは5m以上あり熊本市の指定保存樹木にもなっている御神木の古楠です。
この御神木は天正年間(約430年前)に社殿が火災を被った際ご神体の所在がわからないでいたところ、毎夜楠の上に大きな光が輝くのでよく見るとご神体であったという記録が残っているそうです。
また、この楠には「紐解天神」が合祀してあり、元は神社近くにあった天神森に祭祀されていたそうです。
なぜ「紐解天神」かというと、七五三のお祝いで「髪置き」「帯解き」とありますが、この地域では数え年2歳を「髪置き」、数え年3歳を「紐解き」と呼んで子供の成長を祝う独自の風習があり、この「紐解き」という儀式からきているのが由来との事でした。
紐解天神の囲いの中には、二宮金次郎像もあります。
学問つながりでもあるし、神社の名前「二の宮」つながりでもあるし、ということかな。

月次祭は1日と15日。御朱印をいただく際はこの日がオススメです。

こちらの神社では通常宮司さんは常駐していませんが、常駐されている日があります。
それは毎月1日と15日の月次祭です。
8:00〜12:00まで参拝される方にお祓いをされています。
(15日は常駐しない時間帯がある場合があるとの事。事前の確認をお勧めします)

御朱印を拝受したい方やおみくじ・お守りを授かりたい方、拝殿内の大絵馬などを見学されたい方はお参り後に申し出ると対応していただけます。



7月(日付未定)の茅の輪くぐり、10月27日例大祭も宮司さんが常駐しています。
10月27日例大祭の夜には神楽が奉納されますのでこの日は特にオススメです。

もし、月次祭(毎月1日・15日)、茅の輪くぐり(7月日付未定)、例大祭(10月27日)以外で御朱印等を拝受したい方は電話(受付時間/9:00〜16:00)で問い合わせてみましょう。※15日は常駐しない時間帯がある場合があるそうです。事前に電話をして確認をお勧めします。

車で来られる方に駐車場をご案内します。


駐車場への道案内ですが、二の鳥居まできたら右に曲がって下さい。曲がるとすぐ左に曲がる道がありますので曲がったらすぐ左手あります。
神社用で6台ありますが、同じ敷地内に月極駐車場もありますので、神社用と書いてある方に止めて下さいね。



宮司さんが常駐されていない神社ではありますが、静かな神社で宮司さんも優しい方でした。
みなさんも是非一度訪れてみて下さい。

最後に逢魔が時(薄暗くなる夕方)の様子をどうぞ。
石灯籠には神火がともり、幻想的な雰囲気です。


「二之宮 陳内阿蘇神社」以外にも熊本県下の神社仏閣御朱印をUPしています。「熊本御朱印巡り」はこちら


 
時間
常時解放
場所
熊本市北区龍田陳内3-6-68
TEL
096-338-5318(宮司宅)
御朱印拝受
宮司常駐ではない為、電話にて問い合わせが必要(電話受付時間/9:00〜16:00)。 ただし、月次祭(毎月1日・15日)は8:00〜12:00まで常駐のため御朱印拝受可。(15日は常駐しない時間帯がある場合あり。事前に要確認)
御朱印料
300円

このブログ記事に関連するタグ

このブログ記事に関連するブログ記事

PAGETOP