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天守閣内部をいち早くリポート!! 熊本城特別公開第3弾(天守閣内部公開)が始まります。

2021年06月26日 | N

2021年6月28日(月)から熊本城特別公開第3弾公開開始!!

2018年熊本地震で甚大な被害に見舞われた熊本城。

熊本地震により閉園していた熊本城ですが、2019年10月5日熊本城特別公開第1弾として北口から天守閣前広場までの見学(北ルート)が出来るようになりました。
その後、2020年6月1日には熊本城特別公開第2弾として地上約6mの高さがある特別見学通路が完成し南口から天守閣前広場までの見学(南ルート)ができるようになりました。(後に南ルート(南口→北口)、北ルート(北口→南口)のどちらからでも見学が可能)

そして、ついに、熊本城特別公開第3弾として約5年ぶりに天守閣内部見学が6月28日(月)より始まります。
熊本城特別公開第2弾も第3弾も新型コロナウイルス感染拡大防止の為に延期となってしまいましたが、いよいよ待ちに待った熊本城特別公開第3弾(天守閣内部公開)です。

第1弾、第2弾に引き続き、いち早く情報をお届けします♪

入園券の事前購入がネットで出来るように!! そして、年間入園券が登場!!

熊本城特別公開第2弾までは当日券売所で入園券を購入していましたが、6月28日(月)より始まる熊本城特別公開第3弾からWEBサイトにて熊本城入園券の事前購入(購入時には会員登録が必要)が出来るようになりました。

日付と時間、枚数を指定をしてクレジットカードで決済、熊本城見学当日は送られてきたQRコードを入場ゲートでかざせば入場可となりますので、券売所に並ぶ時間が省けて便利になります。(注:キャンセルはできないみたいなのでご注意を)

もちろん、いままでの特別公開のように券売所(4ヶ所)で直接チケットを購入しても大丈夫です。

また、1年間有効の熊本城年間入園券(高校生以上のみ)がWEBサイトと北口券売所で購入できるようになるそうです。熊本城に頻繁に訪れる方は検討してみて下さいね。

<特別公開入園料> ※熊本城特別公開第3弾より特別公開の入園料が変更になっています
 高校生以上800円、小・中学生300円

<熊本城年間入園券> ※1年間有効
 高校生以上1,600円
 

入園は、北口・南口の2つの入口があります


北口から入る北ルート、南口から入る南ルートのどちらからでも入園が可能です。
今回は北口から入って天守閣に行く北ルートでご案内します。


まずは、二の丸駐車場から北口に向かうと最初に見えてくるのが宇土櫓です。

この宇土櫓(うとやぐら)は約400年前の築城当時からある国指定重要文化財で、続櫓の建物が地震にて倒壊しましたが、五階櫓は壁や内部は破損したものの外観はそのまま残っています。
ただ、来年2022年の秋頃以降(予定)には一旦解体し復旧工事に入る事が決定しているそうなので今しか見られない貴重な姿です。

宇土櫓を過ぎると見えてくるのが、完全復活した大天守・小天守西側です。今までは外観や石垣を直すため足場が組まれていましたが約5年ぶりに囲いなしの石垣が間近で見られるようになりました。

こちらの大小天守を見るときに是非見て欲しいのが「武者返し」と呼ばれる石垣です。

この石垣に実際自分が敵兵で登って攻め入ろうと想像してみましょう。
一見ゆるやかな下の方から登っていこうと進みますが上の進むにつれどんどん垂直に近い急な角度がついた石垣になり甲冑の重さも相まり登りずらくなります。
そうこうしているうちに、上から攻撃を食らってバランスを崩し気づけば地面に、と攻略するには難しい石垣ということが近くで体感できます。

そして、大天守横のスロープを進めば天守閣前広場に到着です。

この広場には新たにしゃちほこベンチがお目見え。座って大小天守をバックに撮影はいかがてす?

さあ、いよいよ天守閣内部の見学へ。新たにエレベーターが設置されました!!

大天守は外観3重・内部は地上6階地下1階建て、小天守は外観2重・内部は地上4階地下1階建ての建造物です。

入口は小天守の地下1階にあたる石垣の部分で、出口は同じく大天守の地下1階にあたる石垣の部分です。

天守閣入口までスロープが伸びてバリアフリーになっています。


小天守の入口に近づくと、細川家の九曜紋(左)と加藤家の蛇の目紋(右)の暖簾が出迎えてくれます。
中に入るとすぐに天井まである大型スクリーンがそびえ立っています。映像と音でこれから見学する気持ちが高まります。



小天守石垣の内部は穴蔵と呼ばれる地下層になっており、もともと台所がありました。そのため、現在も井戸が残っています。
物を落とさないように井戸の中を見て下さいね。


そしてなんといっても今回の熊本城特別公開第3弾から天守閣内部にエレベーターが付きました!!
利用は車椅子利用者(介添者含む)、視覚に支障のある方、階段の利用が困難な方に限りますが復旧前まではエレベーターがありませんでしたので見学したくても断念されていた方は内部の見学も可能になります。


それでは奥にある階段を上がって1階へ進みましょう。

1階、加藤時代


熊本城特別公開第3弾では今までの展示内容が刷新、各階、築城当時〜現代まで4つ時代ごとに展示され、プロジェクションマッピングなど最新技術での展示と従来型の展示とが融合した展示内容になっています。

小天守穴蔵から1階へ進むと、熊本城のはじまりとして加藤清正が熊本城を築城し、熊本城下の河川改修など加藤時代の熊本城について知ることができます。

この1階部分は小天守と大天守が続いているフロアで展示内容が一番多くあり、2階以上は大天守の内部を見学していく構造です。(小天守2〜4階部分については非公開部分となります)


こちらは天守軸組模型(縮尺約1/10)で昭和35年の天守再建にあたり制作された模型です。この模型は熊本地震後の外観復元においても貴重な資料となっています。

従来型の展示ではパネル等での解説でしたが、今回はデジタルコンテンツでより詳しい説明が見られます。タッチパネル式の情報コンテンツが設置してありますので実際触って知ることができます。もちろん、画面に触りますので近くにはアルコール消毒もありますよ。


そして面白い展示物を1つ紹介。
なんと、空中雪隠です。

雪隠はいまでいうトイレで当然ながら和式です。便器が建物の外側に張り出した空中に設置されたことから空中雪隠と呼ばれていますが、作られた当時も実際には使わなかったみたいです。


ちなみに、意外と知られていない事実として小天守は築城当時からあったわけではなく、加藤清正の死後、息子・忠広時代に増築されて熊本城の大小天守として完成しているんですよ。


しゃちほこや瓦をはじめ、さまざまな模型なども展示されていますので、この階はじっくり時間をかけて見学して下さい。

次は、2階の細川時代へご案内です。

2階、細川時代


加藤家の後、細川忠利が熊本城へ入城します。
その細川家時代の熊本城を紹介しているのが2階フロアーになります。

加藤家時代に作られた熊本城ですが、細川家時代には維持・管理・整備が進められていきます。


次に紹介する城郭・城下模型(縮尺約1/500)は昭和56年に製作されたものに今回一部追加製作されたもので、熊本城を中心とした坪井川や堀・土塁に囲まれた惣構(城下町一帯を含めて外周を掘や土塁で囲いこんだ城郭構造)の特徴が展示してあります。
こちらは、模型上にプロジェクションマッピングが映し出され、タッチパネル式の情報コンテンツでナレーション解説がされます。


次は3階部分へ進みましょう。

3階、近代


このフロアーでは明治以降の熊本城を紹介します。

熊本城は、日本最後の内戦といわれる西南戦争で大きな出来事がありました。非常に残念なことに、明治10年、築城当時の大小天守は火災に遭い焼失してしまうのです。


そして、大小天守の火災焼失から12年後の明治22年にはマグニチュード6.3と推定される直下型地震が熊本を襲い、ここで熊本城は大きな被害を受けています。


その後、熊本のシンボル熊本城復興を願う市民らの寄付により、昭和35年に今の大小天守が再建されました。


天守閣の構造上、上の階に行くにつれ徐々に狭くなっていきます。
さあ次は4つの時代最後のフロアー、現代です。
 

4階、現代


昭和と平成時代の修理や復元、平成28年熊本地震による被害と復旧について展示してあります。



また、復興城主の名前を検索できるデジタル芳名板が設置されていますので、復興城主になっている方は自分の名前を見つけてみて下さい。

 

5階は通路です


5階は6階の通路になっているだけになりますので展示物はなしです。

6階の展望所には階段でいきますが、意外と急な角度になっていますのでご注意ください。
さあ、次は最上階6階の展望フロアです。

最上階、展望フロア

熊本県産の檜でリニューアルしたフロア内は東西南北の四方から熊本市内を一望することができます。
こちらは遠くは阿蘇外輪山が見える東の方角です。


また、各方角に設置されている「ARマーカー」を熊本城公式アプリで読み取ると、現在の風景に明治時代初期の古写真を重ねて眺望を見比べることができるんですよ。

出口は大天守の地下です

約5年ぶりに公開された天守閣内部はいかがでしたか?
駆け足で紹介しましたので紹介したいものはたくさんありますので是非来て見て下さい。
出口は大天守の地下になりますので階段で降りて向かって下さいね。

大天守地下も石垣の内部は穴蔵となっており、当時は塩が保存されていたそうです。
大天守石垣の中を通りながら出口まできました。


今回、北口から入った北ルートでの天守閣内部見学を紹介しました。
天守閣内部見学終了後は、南ルートにて地上約6mの特別公開通路から帰られるのがオススメです。
もちろん、南口から入られた方は北口に向かって進んでください。

トイレとエレベーター情報

天守閣内部のトイレは大天守側にしかありません。
  <一般トイレ>    大天守 地下1階
  <多目的トイレ> 大天守 1階
となり、小天守側にはありませんのでご注意ください。

また、エレベーターにも注意が必要です。
 ①小天守 地下1階 → 小天守 1階 まで1基
 ②大天守 1階 → 5階 まで1基    ※小天守1階と大天守1階はフロアが繋がっています
 ③大天守 5階 → 6階 展望フロア まで1基
大天守の構造上、上に行くにつれ床面積が小さくなりますので5階と6階のエレベーターが別になったようです。

エレベーターを利用する方は出口も一般の大天守出口ではなく、入口である小天守が出口となります。
展望フロアから3基利用しないと出口(入口)には戻って来られませんので時間に余裕をみた方がいいかもしれません。

遊び心も満載です

熊本城についての歴史や構造上の話など難しい展示だけではありません。

熊本城の伝説、細川時代の逸話など絵と文章でわかりやすい展示もされています。
面白そうな内容です。


今回刷新された展示物ですが、従来型のパネル設置ではなく、壁紙に直接解説や絵が施されていてフロア全体が美術館のようにアート作品になっている印象を受けました。
年表なども含めほとんどの紹介が壁紙と一体となっており、鮮やかな色も見事です。

その何気ない展示内容とアートの部分をひとつご紹介します。
渡辺流砲術図が一歩一歩進むたびに違った絵となっており1枚の壁紙アート作品のようです。

熊本県立図書館蔵の渡辺流砲術図。和紙等でみるものとはまた違った味わいで素敵です。

結局、見学時間はどれくらいかかる?

取材時に思ったのは天守閣内部の展示内容を考えると、熊本城見学にどれくらいかかるか知りたいのではないかと思いました。

熊本城特別公開第2弾までは天守閣を外から見るだけでしたので、主に歩く時間と写真を撮る時間が必要で、北ルート→南ルートの南口までは約40分〜60分ぐらいだったかと思います。

しかし、天守閣内部の見学に時間を要すると思いますので、第3弾は北ルート→天守閣内部→南ルートの所要時間は90分〜150分ぐらいをみといた方がいいのではないかと感じました。

本格的に全てのコンテンツを見学する人は、3時間〜半日かかるかもしれません。
もちろん、展望フロアだけでいいという方は早いです。

公開直後などは特に天守閣内が密にならないよう人数制限が行われますのでもうすこし時間がかかる可能性があります。

また、暑い時期に差し掛かりますので、こまめな水分補給と休憩に気をつけて見学して下さい。
お問い合せ先
熊本城運営センター(9:00~17:00)
TEL
096-223-5011
入園時間
9:00~17:00(最終入園16:30)
入園料
高校生以上800円、小・中学生300円

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